ちりりん、ちりりん。 曇りガラスがはめられた窓の外、庇(ひさし)から窓の高さにかけて、鈴の音が揺れている。 少しだけ開け放した窓からとんとんと軽快に、目隠し囲いへ影が動いた気配がする。レースのカーテンを閉じたままにしてあるので、ほんとうは影…
2度目の乗換駅がどんな名かは記憶していたが、1度目の乗換駅からいくつ目だったかは曖昧だった。ふと気が付くと、俺が乗車中の地下鉄が、終点手前の駅から発車したところだった。当然、ここから終点までに、2度目の乗換駅は無い。 「ちい。寝ぼけていたのか…
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