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midqqのブログ

マンガとSF、時々テクノロジー。その他、雑多に書き綴ります。

鈴の音

ちりりん、ちりりん。

曇りガラスがはめられた窓の外、庇(ひさし)から窓の高さにかけて、鈴の音が揺れている。

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少しだけ開け放した窓からとんとんと軽快に、目隠し囲いへ影が動いた気配がする。レースのカーテンを閉じたままにしてあるので、ほんとうは影が見えるわけではないのだが、なんとなくそんなふうに感じた。

たまに、上の階から響くせわしない人間の足音には不快な気持ちを抱かざるを得ないが、鈴の音がする不法侵入者の気配には和む自分がいる。大雑把に言えば、音の大きさはそんなには違わないはずだが、感じ方は大いに違ってくる。まったくもって不思議なものだ。

ふと気が付けば、近かった夏ゼミの声が遠くなっている。何をするでもない午後のけだるい時間は、窓からほんのりと夕立の匂いを届けてきていた。