midqqのブログ

マンガとSF、時々テクノロジー。その他、雑多に書き綴ります。

さらっと読め、万人が想像しやすい題材の経済入門書 ~ もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら タケコプターで読み解く経済入門

SF好きには気になる題名だった事もあり、しばらく前にKindle版を購入。近頃、小説を読むことが多かったので、気分転換として本書を選びました。

多くの人に想像しやすいドラえもんを題材に、イノベーション(技術革新)発生時の経済の動きについて、実在の企業名を挙げて分かりやすく、説明されています。

もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら

もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら

 

 感想

正直、読む前に期待していた内容とは違っていました。キャッチーな題名に騙されますが、副題にある通り、経済入門書です。SFじゃなくて残念でしたが、内容は悪くはなかったです。

空想科学読本のようなSFエンターテイメント本じゃないです

本書のあとがきにもありますが、科学的な検証は脇に置かれています。SFじゃない。

経済入門書として、今時のキーワード「AI」、「VR」、「スマートウォッチ」が普及したらどうなるかだと、どうしてもIT関連企業の印象が強く、世の中の経済活動を広く想像しづらいですよね。

タケコプターが実現したら、保険、警備などに新たなビジネスチャンス」と本書にありますが、経済に疎くとも、これなら書かれている内容は想像しやすいです。SFにこだわる人には物足りませんけれど、経済入門としては、いいとっつきと思いました。

出版から5年以上経過しているので、実在の企業名などに違和感

実在の企業名が挙げられているので、分かりやすい反面、少々時代遅れなところもあります。書籍である以上、仕方がないことです。

ワタミの介護事業、三洋電機エネループ」など。現在の姿に思いをはせると、何とも言えない気持ちになります。時の移ろいは残酷。

とは言え、分析は的外れではないです。2010年当時を題材とした経済本として、本書を読むべき。

「タイムマシン」は、出てこない

本書の中でも述べられていますが経済入門なので、やむなしですね。影響が大きすぎて、発散しますもん。

あとがきも熟読すべし

あとがきは読み飛ばされる方もいらっしゃるかもしれません。でも、この本は、あとがきも読むべき。

著者がファンドマネージャーで、どういった視点で経済を見ているかが述べられています。ほんの入り口、まさに入門でしょうけれど、経済を勉強した気持ちを持てます。

 

浅く広く分かりやすく、短めでお手軽。そんな経済入門としておすすめ。星5個のうち、3個くらいかな。

 

もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら