midqqのブログ

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幽体離脱は、脳の仕業かも? ~ 池谷裕二 「脳には妙なクセがある」

あなたは、金縛りにあったことがありますか?

私はあります。オカルトのようなものを感じなくもないですが、睡眠時、脳は起きていて体は寝ている、そんな状態の時に発生する生理現象?みたいなものと受け取っています。 

さて、今回ご紹介する本、「金縛り」の話は出てきませんが、幽体離脱の原因かもしれない脳の働きの話があります。

右側の頭頂葉の「角回」と呼ばれる部位を刺激すると、被験者の意識は2メートルほど舞い上がり、天井付近から「ベッドに寝ている自分」が部分的に見えるというのです。(24章 脳は妙にオカルトする より)

私の(起床時の)意識は、目の後ろの上のほうに感じます。また、心臓がドキドキしたときは、心臓のあたりに意識が下がってくるような感じを受けたりもします。これに似たような話で、脳の調子が悪くて、意識がある位置の認識がズレてしまったら、幽体離脱のようになっても可笑しくない気がします。ちなみに、意識が前方にズレる研究の話もこの本に出てきます。そう、背後にゾクゾクする存在を感じるそうです。その存在は何かのオチには、ちょっと笑いましたけれど。

 

他にも、脳に関する興味深い事実がてんこ盛りに出てきます。哲学や心の在り方に通じる事柄も多く、いろいろと考えさせられました。世界の(難しい)研究論文を下敷きにしていますが、エッセー風でものすごく読みやすかったです。

脳には妙なクセがある (扶桑社BOOKS)

脳には妙なクセがある (扶桑社BOOKS)

 

哲学や道徳、宗教の分野が、脳科学と合流するかもしれない、そんな未来の可能性も感じられる、素晴らしい科学本です。マジ、おススメ!

脳には妙なクセがある (扶桑社BOOKS)

 

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