RapportとESET Internet Securityは、併用できる?
これまでに、IBM Trusteer Rapport(Trusteerエンドポイント保護)がらみで、いくつか記事を書きました。
今回新たに、Rapport関係で書いておきたい事を見付けました。それは、セキュリティソフトESET Internet Securityとの併用についてです。
なお、この記事の前段として、RapportとESET Internet Securityについて簡単に説明しています。これらのソフトをご存じで、前振りが不要な方は、本題の章まで読み飛ばして下さっても構いません。
また、お急ぎなら、再後段のまとめの章だけでも見てもらえればと思います。
(前段)RapportとESET Internet Securityについて
まず、おさらいもかねて。これらのソフトについて、簡単ではありますが、説明しますね。
IBM Trusteer Rapport(Trusteerエンドポイント保護)とは
IBM Trusteer Rapport(Trusteerエンドポイント保護)(以降、Rapport)というのは、いわゆるフィッシング対策ソフトウェアです。ネットバンキングのセキュリティに特化しているのが特徴ですが、これ単体では、PC周りの全般的なセキュリティまで確保するのが難しく、他のセキュリティソフトと併用するのが前提です。
IBMのセキュリティ部門が開発していますが、買収される前は、イスラエルのTrusteerという会社だったそうです。法人向けがメインで、個人向け製品はRapportくらいです。
http://www.trusteer.com/ja/support
私が使い始めたきっかけは、とある銀行のWebサイトで、ネットバンキングのセキュリティ対策用に、導入を推奨している情報を見かけたからです。無償と言うことと、他のセキュリティソフトと併用が出来る点が気に入り、使っています。
ただ、併用できると言っても、どんなセキュリティソフトとも共存出来るわけではなく、ダメな場合もあります。詳しくは、後ほど書きます。
ESET Internet Securityとは
タイトルにもある「ESET Internet Security」ですが、これは総合セキュリティソフトです。ノートンとか、ウィルスバスターなどが有名ですが、同じジャンルのソフトです。
中欧のスロバキアに本社があるEset社が開発しており、日本ではキャノンITソリューションズが販売とサポートを担当しています。余談ですが、Esetとは、エジプト神話に出てくる女神イシスを意味するスロバキア語が由来だそうです。中二病的な~(*'▽')
私は、これまでノートンとかウィルスバスターを使っていました。でも、たまにトラブルが起きることがあって、セキュリティソフトとしては、実力にそん色がないと評判のESETに乗り換えました。使い始めて、2年半ほどになりますかね。ちなみに、お値段が先ほど名前をあげた有名な2製品より、若干お安いです。ステマみたいですが(;^ω^)
(本題)RapportとESET Internet Securityの併用について
ここから、本題に入ります。RapporとESET Internet Securityの併用に問題はないのでしょうか?
まずは公式サポートの情報に当たりましょう。
各公式サポートの情報
Rapport
Rapportの公式サポートサイトに、併用出来るセキュリティソフトのリストがあります。日本ではちょっとなじみがないセキュリティソフトが多いですね。
他のセキュリティソフトウェアとの互換性 | Trusteer
そのリストに、法人向け「ESET NOD32 Antivirus」は掲載されていますが、個人向け「ESET Internet Security」は記載がありません。大丈夫そうだけれど、果たして・・・
ESET
ESETのほうの情報も探してみました。ありましたが、こちらも若干分かりづらい。△があったり、※付きがいっぱいだ。むむむ(怒)
併用にあたっての注意事項
公式サポートサイトの情報が分かりづらいこともあり、ESET側の日本向けサポート(キャノンITソリューションズ)にも問い合わせました。それなりに情報は得られましたが、ぼんやりしたままでした。
そこで、こちらで勝手に整理することにしました。それぞれのポイントについて、詳しくは後の章に書きます。
- ポイント1)「ESET製品のインターネットバンキング保護機能(以降、セキュアブラウザー)」は、Windows既定のWebブラウザーが使われる。
- ポイント2)セキュアブラウザーに使うWebブラウザーによっては、Rapportと競合する。
- ポイント3)WebブラウザーとESET製品バージョンの組み合わせによっては、セキュアブラウザーのサポート対応外である。
- ポイント4)Webブラウザーによっては、Rapportのサポート対応外である。
対応表
表にまとめると、こうなります。(公式サイトの情報等から作成)
表内の〇が併用可能、△と×が併用不可です。-は、セキュアブラウザーのサポート対象外、赤背景はRapportのサポート対象外です。?付きは、バージョンが古かったり未リリースのため、確認しきれなかったものです。
なお、△と×があるのは、上にリンクを貼ったESETサポートサイトの情報によるものですが、実際の違いが何なのかは分かりませんでした。例えば、△はセキュアブラウザーの機能を無効にすれば問題なく、×は無効にしても問題が出るのかも?
こうしてみると、ESET Internet Security V11.0になってから、Chromeか(Windows10を除く)FireFoxを使えば、Rapportと併用が出来るようになったんですね。それまでは、併用していたように見えても、どちらか片方だけが機能していたようです。なお、V10.0より前は、併用が出来ていたような気もしますが、うろ覚えで未確認です。
対応案
もし、併用に問題が出る場合、対応は、次のどれかになるかと思います。ただ、対応案2は、両ソフトが競合しなくなりますが、セキュリティ面から見れば、併用とは言えませんね。
- 対応案1)Rapportを使うため、Windows既定のWebブラウザを、セキュアブラウザー対応のものに変更する。
- 対応案2)Rapportを使うため、セキュアブラウザーの機能を無効にする。
- 対応案3)Rapportを使うのをやめ、Rapportをアンインストールする。
ポイント1)
Windows既定のWebブラウザがセキュアブラウザーのサポート対象外の場合、Internet Explorerが使われるようです。ただ、確認したのは、Windows10とMicrosoft Edgeの組み合わせだけですので、違う場合があるかもしれません。
ポイント2)
例えば、ESET Internet Security V11.0で、Internet Explorer 11をセキュアブラウザーとして起動すると異常終了します。試してみたのですが、起動と異常終了が勝手に繰り返されて、止めるのがちょっと大変でした。
競合させないためには、セキュアブラウザーをESET側で無効にします。
セキュアブラウザー起動前にRapportを一時停止させるか、Rapportをアンインストールしてもいいですが、当然、併用が出来ないことになります。Rapportを使っている意味がないとも言えますね。
ポイント3)
例えば、Microsoft Edgeは、セキュアブラウザーのサポート対象外ですね。今のところはですが。
ポイント4)
以前の記事にも書きましたが、Rapportは、事実上Microsoft Edgeのサポート対象外になっています。
まとめ
長々と書きましたが、まとめると、RapportとESET Internet Securityの併用については、次の通りです。(2017/12/25時点)
ESET Internet Security V11.0なら、Chromeまたは(Windows10を除く)FireFoxを使えば、Rapportと併用ができます。
それ以外は、ESET Internet SecurityとRapportを同時にインストールできる場合もありますが、同時には機能しません。言い換えれば、セキュリティ面では併用できません。「ESET Internet Securityのインターネットバンキング保護機能(セキュアブラウザー)」を無効にするか、Rapportをアンインストールする必要があります。
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