なんじゃこりゃ!?(驚愕) ~ Kindle Paperwhite マンガモデル発売
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
Amazonの電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite(キンドル ペーパーホワイト)」マンガモデルが発売!!!
Amazonの電子書籍リーダー Kindle(キンドル)の弱点は、マンガの閲覧なんだよな。それが、改善されたってことは買うしかない!!
さっそく予約注文を。ぽちっと・・・
?
あれ?
待てよ?
なんじゃこりゃ!?(驚愕)
衝動的に予約注文してしまうところでしたが、ぎりぎりで思いとどまりました。
なぜかと言うと・・・
という事で、まとめてみました。(ツンデレ型記事)
Kindle でマンガを読む?
電子ペーパーの特性と、画面サイズが6インチと小さいため、他のタブレットなどと比べると、Kindleでマンガを読むのは、少々、つらいところがありました。
筆者は重度のKindleユーザーでございますので、マンガも数百冊レベルで購入して、しっかりと読んでいます。
そのマンガの読みづらさが、劇的に改善されたのかと飛びつきそうになりましたが・・・
マンガモデルと通常モデルの違い
Amazonサイトの「Kindle電子書籍リーダーの比較」表を見ていて、なんだかKindle Paperwhite マンガモデルと通常モデルは、ほとんど同じだなと気が付きました。
あれれ??
Kindle Paperwhite マンガモデルと通常モデルの何が違うのか、表などから挙げてみましょう。
- マンガモデルが2000円高い
- マンガモデルには、無料3G付きが無い
- マンガモデルの容量は32GB(通常モデルは4GB)
ディスプレイの仕様とか、サイズ、重量などは全く同じ。「マンガのページめくりが33%スピードアップ!」するはずだけど、ハードが同じみたいなんですが??
ソフトウェア的に改善!
な、なんとソフトウェア的に、マンガのページめくりのスピードをアップさせるとのことです!
従来のKindleも、同じくスピードアップするんです。Amazonサイトの従来モデルのページにもしっかり書いてありました。
自動アップデートされる最新のソフトウェアにより、マンガのページめくりのスピードが33%アップ、ピンチ&ズーム機能がご利用いただけるようになります。
- 快速ページターン、連続ページターン
- ピンチ&ズームで拡大も簡単
これはうれしい誤解でした。
ただ、うちのKindleは第5世代の古いやつだから対応されるかは分かりませんが(泣)
容量の増加は、マンガを読むにはうれしい
Kindleでマンガが読みづらい原因の一つに、Kindle端末の容量が小さいことがあります。マンガ本は容量を取るので、Kindle端末に一度に保管できるのは数十冊くらいです。マンガは読むスピードが速いので、Kindle端末にある分くらいはすぐに読み終えてしまいます。Wi-Fiにつながる環境にいないと、その時点で読書は終わりになってしまいます。
もしWi-Fiにつながっていても、マンガ本をKindle端末に取り込むには、1冊あたり数分かかります。何冊も入れ替えると、それなりに時間がかかります。*1
マンガを読みやすくするためには、画面切り替えがもっと早い電子ペーパーにするとか、画面サイズを大きくする製品*2も考えられるのですが、日本限定で売れる台数からして実現は難しいでしょう。容量の増量とソフトウェア的なページめくりのスピード改善は、良い落とし所の製品改良だと思いました。
GIZMODEの記事について
あんまり大したことではないのですが、GIZMODE(gizmode.jp)記事中の『従来の「Kindle Paperwhite」』とされているKindleは、最新のKindle Paperwhiteではなく、一つ前の第6世代のようです。
マンガモデルで解像度の向上や、色合いが白っぽくなったと触れられていますが、「Kindle Paperwhite」の第6世代と第7世代の違いで、マンガモデルと通常モデルの違いでは無ようです。
なお、Amazonのサポートページの電子書籍リーダーの見分け方からの推定ですから、この指摘には何の責任も取れないですけれど。一応、気づいたという事で、こちらが間違っていたら、ご容赦ください。
Amazonのサイト 『ヘルプ > Amazon デバイスサポート > 電子書籍リーダーの見分け方』のページより(Amazon.co.jp ヘルプ)
前面のKindleロゴが銀色、背面のAmazonロゴがエンボス加工されていない端末は、Kindle Paperwhite(第6世代)と思われる。第7世代とマンガモデルは、同じ世代にくくられて特徴が説明されている。
まとめ
Kindle Paperwhite マンガモデルは、Kindle Paperwhite 通常モデル Wi-Fiのみ版の容量が増量されただけの製品と言えます。
従来モデルでも対応される33%のスピードアップと連続ページターンを実際に見ていないので、言い切るのは難しいのですが、マンガを読むための電子書籍リーダーとしてKindleは、まだまだ厳しいと思っています。今回、少しは改善されたのですけれども。
とは言え・・・マンガにこだわらなければ、現時点(2016年10月)のKindleのベストチョイスは、このマンガモデルです!
ちょっと変なこと言ってますが、断言します。
マンガ以外の読書をする人、ついでにマンガを読む人が、Amazonの電子書籍リーダーKindleを買うなら、Kindle Paperwhite マンガモデル キャンペーン情報無しで決まりです!
Kindle Paperwhite 32GB、マンガモデル、Wi-Fi 、ブラック
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Kindle Oasis (Newモデル) 32GB、Wi-Fi、キャンペーン情報つきモデル、電子書籍リーダー
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おいっちゃんと茶々のふくれっ面に和む日々 ~ 石井あゆみ 「信長協奏曲」 14巻
「はい、そんな顔してもダメでーす。」
サブロー(信長)から窘められて、おいっちゃん(お市)がするふくれっ面、可愛らしくて大好きです。14巻では、茶々のふくれっ面も見られるので、最高です!
感想
原作マンガの他に、アニメ、実写ドラマ、実写映画とあるようですが、わたしが見たことがあるのは原作マンガのみです。という事で、感想は原作マンガによります。
さて、14巻は、一時期の信長包囲網が緩んだものの、反乱が相次いだことで信長軍が苦戦している時期です。史実では三木の干殺しや上月城落城の悲劇など凄惨な出来事が発生しています。
ところがその辺は話題に上るだけで、角力大会と脇役のお話がメインとなっています。戦国時代好きからしたら物足りないかと思いきや、長可と犬千代の角力対決を軸に、今回、脇役たちの話も掘り下げられているので、ますますこの物語にのめり込めます。
安国寺恵瓊が出てきたり、秀吉が毛利と絡みだしたりと、本能寺の変に向けた匂いがあちこちに立ち込めてきて、いよいよ先が気になりだしてきました。侍女のおゆき、蘭丸、おいっちゃんと三姉妹、そして光秀と、サブロー(信長)に入れ込んでいる人たちの今後の動きも気になります。
物語が終焉?に向けて動き出したと感じる、そんな物語を読み進めるのはものすごく楽しいです。そんな巻でした。
信長協奏曲の原作コミックはこちら
Kindle Paperwhite 32GB、マンガモデル、Wi-Fi 、ブラック、キャンペーン情報つきモデル
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オーバーロード 5巻 コミック版(ネタバレあり注意)
至高なる御方、アインズ様が真祖シャルティアに完全勝利!!される巻です。刮目して拝読せよ。
と、いきなりネタバレ(笑)
ん? リザードマン編? あぁ、そんなのもあったかな。
オーバーロード(5)<オーバーロード> (角川コミックス・エース)
- 作者: 深山フギン
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2016/08/26
- メディア: Kindle版
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オーバーロード コミック版とは
申し訳ありませんが、オーバーロードがどんなお話なのかは、ここでは割愛します。あえて簡潔に説明すると、魔王モノのダークファンタジーですね。ただ、数ある魔王モノとは一味違っていて、まさにダークなストーリーと言えます。
残虐非道、悪逆無比なんですってば。人間から見ればだけどね。
原作小説
丸山くがねさんによる小説、ライトノベルが原作です。ウェブ版と商業書籍版があり、登場人物や設定等はほぼ同じですが、ストーリーが違っており、コミック版は商業書籍版がもとになっています。
テレビアニメ
2015年7月から9月に、テレビアニメも放映されていて、アインズvsシャルティア編までとなっています。またまた流行りの魔王モノかと気にも留めていなかったのですが、すごい人気があるアニメという事で視聴してみると、いっぺんで虜になってしまいました。アインズ様、万歳!
コミック
コミック版5巻は、リザードマン編の序盤までとなっており、テレビアニメよりもストーリーが進んでいます。
ちなみに、わたしはテレビアニメ版から入った口で、ウェブ版は読破しまして、コミック版は1巻から5巻まで読んでいます。このエントリ執筆時点(2016年10月)で、商業書籍のKindle版が出ていないこともあり、残念ながら未読です。出版社のKADOKAWA/エンターブレインは、書籍やコミックのKindle版に力を入れているはずなのですが、なぜかオーバーロードは紙の本しかありません。何らかの販売戦略によるものなのでしょうが、気長に待ちましょうかね。
感想
さて、冒頭でvsシャルティアの話をしていますが、5巻のボリューム的にはリザードマン編のストーリー序盤が主です。登場人物が爬虫類だらけなので、どんな絵になるのかなと気になっていました。オスはかっこよく、メスは可愛らしく、爬虫類の気持ち悪さが抜けていて、ライトな感じでよかった。恐怖公のところも、気持ち悪いけど見られるぐらいの絵で、これはこれで、ありかな。あまりにも写実的になると今後のストーリーは残酷すぎて見てられなくなるし、かといってデフォルメし過ぎるとダークさが消えてしまうし、ライト側に振れた良いバランスの絵なのかと思います。今後の、死闘編が楽しみです。
ただ、このコミック版ですが、話の運びがどうも駆け足で物足りなく感じてしまいます。ライトノベル系の小説やテレビアニメが原作にある作品がコミック版となった場合、もとのストーリーは面白いはずなのに、ちょっと何か物足りなくなってしまう場合が多い印象を私は持っています。そして、当作も同じ印象を持ちました。
テレビアニメ版も駆け足なはずですが、なぜかそういう感じはしませんでした。これといった理由ははっきりしないのですが、アニメだと音声があるので、情報量が増えるからでしょうか。
いずれにせよ、メディアミックスの戦略上、コミック版を何年もかけた長編にすることは難しいからなんだと想像はしています。コミック作品としては、ちょっともったいないかも。オーバーロードの原作やアニメのファンや、これを入り口とされる方なら、お勧めできるかな。星5つのうち、3つくらいでしょうか。
5巻以外のコミック Kindle版はこちら。
彼が居た世界 ~ 蟲師 外譚集
『蟲師 外譚集』は、彼(蟲師ギンコ)が居たであろう世界を、普段と違った味で感じることが出来る作品でした。
蟲師 外譚集とは
外側の”譚”(物語)と言うタイトルが示すように、漆原友紀さんの『蟲師』をベースにした、別の作家さん5名によるオリジナル短編集です。『蟲師』が掲載されていたマンガ雑誌「アフタヌーン」つながりの作家さんによる一種のアンソロジーコミックと言えます。蟲師ギンコの居た世界と、時間と場所は違ったりしますが、同じ”蟲”の居る世界を描いています。
少々残念なのは、原作の作家である漆原友紀さんは、カバーイラストと折り返し部分のコメント*1のみで、本編中に作品はありません。
感想
表紙 漆原友紀さん
漆原友紀さんの作品が読めないのは残念ですが、表紙は描き下ろしとのことで、じっくりと眺めてみると、結構、味わい深いです。
鉄道か道路か不明ですが、海岸沿いの高架下に佇むのは、蟲師のようです。コートのような服装をした姿や引き出しの多い薬箱から、蟲師の主人公ギンコを彷彿とさせます。
高架下の上部にかかるツタに紛れて、蟲たちもたむろしています。蛍光灯のような街灯や、電柱に伸びた電線、車止めのバーなど、本編より現代に近いようですが、変わらず蟲は居る(在る?)ようです。
高架の柱に貼られている注意看板は、Kindle版では、ぼんやりしてよく分からないのですが、自転車?に対して何を注意喚起しているのか気になります。
歪む調べ 熊倉隆敏さん
原作の9巻「風巻き立つ」に話に出てきた身を滅ぼした蟲師のお話かもしれない。正しく扱えば有用だが、間違った使い方をすれば災厄が起こるという、現実でも似たような話がころがってます。
他の4作品と違い、この作品は話の雰囲気も原作に似ています。完結している『蟲師』だけれど、もう1話が余分に読めてよかったと思うような作品。ギンコは出ませんが。
滾る湯 吉田基己さん
蟲師のお話は、薄ら怖いものが多いですが、これはそういった感じを受けない、まさに違った味でよかった。温泉でのお話と言うこともありますが、読み終わった後にポカポカします。
つまらない感想を一つ。体温が高温になると男性機能に悪影響が出ますが、彼は大丈夫だったのかな?
海のちらちら 芦奈野ひとしさん
ホコリっぽい日に目のすぐ近くで見える泳ぐような細いのや、ぎゅっと目をつぶったときに見えるチカチカも、実は蟲なのかも。そんなふうに思えると楽しい。
Amazonかどこかのサイトで見かけた感想に、ポエムと書かれていた人がいましたが、同じような感想を持ちました。
組木の洞 今井哲也さん
現代の蟲師グループの活動風景、新宿駅のウロ穴が舞台。本当の新宿駅も、まさしく迷宮ですから似たようなものかも。絵柄のせいか怖さを感じませんが、実際は怖さもあるお話。
お姉ちゃんと喧嘩した妹が、元気を取り戻したのは良かった。笑顔に萌え~。
蟲師の世界感をおさらいできます。
影踏み 豊田徹也さん
豊田徹也さんの作品に出ているらしい探偵山崎の不思議で物悲しいお話。その探偵さんが住む現代世界に、蟲が絡んだ事案があれば、こんなふうなのかな。やる気なさげでテンション低いけど、やることはやる寝ぐせ?ヘアーの探偵さん、好きになりました。豊田徹也さんの作品を読んだことが無いので、読もうと心に誓ったのでした。
お話は終わっても、蟲に囚われたままの人がいるのは、正直怖いな。
過去記事では、漆原友紀さんの特別篇の感想を書いています。
やっぱ悪役はつらいよな ~ 吉川英治 「鳴門秘帖」
「俺たち悪役はつらいよな」
「ウム」
「ま、ロクな死に方しねえだろうサ」
「ウーム・・・・・・」
今回は、吉川英治氏の『鳴門秘帖』(なるとひちょう/なるとひじょう)の感想です。
鳴門秘帖について
昭和20年代に、新聞に連載されていたそうです。私が読んだのは青空文庫版になります。6巻構成の長編です。
大衆文学を開拓した作品で、伝奇小説黎明期の傑作である。Wikipediaより
江戸時代中期、「幕府隠密とその仲間たち」 vs「阿波徳島藩」の討幕が絡んだお話です。歴史上の人物や事件がちらほら出てきますが、伝奇小説とある通り、エンターテイメントに徹したフィクションです。
ちょろっとだけ感想
大阪と江戸の往来、阿波への渡海など、場面も大きく変化していくし、個性的な人物も多いし、恋情もあり、いろいろと楽しめました。長編とは言え、さらさらと読めます。細かなところへのツッコミは野暮なので、そこは気にせず読み進めましょう。主人公無双で痛快なのは良いのですが、それにしても、「悪役はつらいよな」と同情したくなるお話でした。ああ、愛すべき悪役たち、何人が正義の名のもとに倒されたのやら。
悪役が魅力的!
さて、ストーリーもよいですが、登場人物が面白かったので、紹介しておきましょう。主人公側より、敵役の実行部隊、三馬鹿(勝手に命名)が味わい深くて好きなので、まずは敵側から。
敵役・阿波徳島藩
濃い人が多いです。はい。
三馬鹿
三悪と言うより三馬鹿という呼称がぴったり。敵側の主役です。悪役はつらいよ。
お十夜孫兵衛(おじゅうや まごべえ):敵側の主役。主役と言ってもボスキャラじゃなく、いろんな意味で話の中心人物と言う意味です。
まず、彼に言いたいのは「頭巾取れよ。」ですね。女と寝る時も取らないし、風呂でさえも一人でこっそり入る。君、髪の毛が無いのか? それとも恥ずかしい入れ墨でもあるのか?と謎が謎を呼ぶ。そぼろ助広なんて、名刀?を持ち、粋な服装でおしゃれをしつつ、辻斬りしていたザ悪党。
旅川周馬(たびかわ しゅうま):ヒロインのお姫様お千絵を幽閉し、甲賀家の財宝も根こそぎ手に入れようとする悪い奴。大物かと思いきや、三馬鹿の中で、剣技が一番弱くてパシリにされている可哀そうな人。総髪のニキビ侍、ブサメンなのでヒロインから嫌われているのも可哀そう。本来は侍と言うより隠密だと思うけれど、実力を出し切れなかったかも。
天堂一角(てんどう いっかく):剣技一筋でカタブツ。三馬鹿の他の二人と違って、そんなにあくどい事はしていないのに敵側に属したせいで、ろくでもないことに。剣技だけは敵側で一番。
黒幕
蜂須賀重喜(はちすか いえよし):なぜ討幕に走るのか、いまいち分からない若殿様。歴史上は、出羽秋田新田藩 佐竹氏の血を引くし、阿波徳島藩も数代前から松平大膳家の血筋になっていて、なぜ打倒徳川となるのか謎。男に生まれたからにはテッペンを獲れという事なのか?
竹屋三位卿有村(たけや さんみきょう ありむら):題名にある秘帖の元となった、阿波徳島藩の軍備マップを作成して、囚われの世阿弥の居る場所に落としちゃったうっかりさん。ものすごく行動的で、頭も回るし、敵側の実質ボス。でも、居候。
そのほかの人
森啓之助(もり けいのすけ):もうちょっと悪人として活躍してくれそうだったけど、末路は・・・・・・
宅助(たくすけ):森家の中間。森啓之助の囲い女お米を見張る。いかにもな小悪党だが、下っ端の悲哀を感じた人。
川長のお米(かわちょうの およね):内向的で、器量良し。結核を患っている。悲劇のヒロイン属性を沢山持つ。
その他、名もなき原士(阿波徳島藩の下級侍)さんたちは、上からの命令に忠実なせいで、主人公側に倒されまくる。悪役はつらいよ。
主人公側・幕府隠密
主人公側に居なきゃ、悪人と変わらない所業の人もちらほら。勝者が正義なのだ。
主役級
法月弦之丞(のりづき げんのじょう):ザ主人公。剣技がめっちゃ強い、イケメンでモテる、身分がそれなりに高い。個人的に好きになれなかった。ある意味、大量殺人鬼。
お綱:見返りお綱と呼ばれる凄腕女スリ。主人公と行動を共にするヒロイン。裏家業から足を洗えただけでもよかった。3ヒロイン(お千絵、お米、お綱)の中では、一番好きな人物。
万吉(まんきち):岡っ引き。敵方が刀で殺しに来るのに、十手と取り縄で頑張る人。殺伐とした人が多いところ、人情家なところもいい。
甲賀世阿弥(こうが よあみ):主人公側を阿波潜入に引きずり込んだ張本人と言えなくもない。ストーリー上、仕方なしとは言え、甲賀組は隠密活動を組織的に行わないんだね。そりゃ、滅びるさ。
そのほかの人
序盤で犠牲になった人、鳩の人、スーパー助っ人、平賀源内さん、幕府方のお偉いさんなど多数居ますが、割愛。
青空文庫
青空文庫(あおぞらぶんこ)は、著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品のテキストを公開しているインターネット上の電子図書館である。(Wikipediaより)
吉川英治氏の作品も、公開されています。私は、Kindle版で読みました。
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鈴の音
ちりりん、ちりりん。
曇りガラスがはめられた窓の外、庇(ひさし)から窓の高さにかけて、鈴の音が揺れている。
少しだけ開け放した窓からとんとんと軽快に、目隠し囲いへ影が動いた気配がする。レースのカーテンを閉じたままにしてあるので、ほんとうは影が見えるわけではないのだが、なんとなくそんなふうに感じた。
たまに、上の階から響くせわしない人間の足音には不快な気持ちを抱かざるを得ないが、鈴の音がする不法侵入者の気配には和む自分がいる。大雑把に言えば、音の大きさはそんなには違わないはずだが、感じ方は大いに違ってくる。まったくもって不思議なものだ。
ふと気が付けば、近かった夏ゼミの声が遠くなっている。何をするでもない午後のけだるい時間は、窓からほんのりと夕立の匂いを届けてきていた。
名将は三度死す! ~ 吉川英治 「三国志」
名著が全巻無料で読めるなんて、すばらしい!青空文庫、万歳!
と言う訳で、吉川英治氏著の三国志を読破しました。小説の三国志を始まりから終わりまで読んだのは、これが初めてでした。
コンピュータゲームの三国志や、NHKの人形劇三国志(相当古いですね。再放送だったけれど)などから、有名エピソードをつまみ食いして、おおよそのストーリーは把握していましたので、すんなりと話に入っていけました。
吉川英治氏と三国志
吉川英治氏と言えば、昭和の前半に大活躍された、歴史小説や時代小説の大家です。他にも、「宮本武蔵」や「新書太閤記」、「新・平家物語」などなど、名著がたくさんあります。
そして、この「三国志」ですが、三国志演義(歴史をもとにフィクションを交えた小説)を下敷きに、吉川英治流に大胆なアレンジを施した作品だそうです。
驚いたこと
読破後、ブログのエントリを書くために調べていて、少々驚いたことがありました。それは、新聞連載小説として1939年に連載が開始されていますが、なんと日中戦争(支那事変)勃発の1937年より後なんです。また、なんとなんと!連載中に太平洋戦争(1941年)が勃発しているんです。ちなみに、連載終了は、太平洋戦争終結前の1943年です。
(政治体制は違ってますが)戦争中の相手国を舞台にした小説にもかかわらず、見下したりした表現が一切なく、人肉食のエピソードでは単純な野蛮行為でないと背景を解説さえしているのです。正直、とても素晴らしいことだと思いました。
さてさて、感想に入っていきます。
これまで自分が三国志に持っていた印象と違っているところを主に書いていこうと思います。かなりざっくりですけれど。
序盤。桃園の誓い
劉備が、関羽や張飛と出会うところなど、丁寧に書かれていて、これまでの三国志に持っていたイメージと大分違いました。ムシロ織りの劉備さん、母のために命がけで買ったお茶を捨てられるところとか、以前に助けた女性と再会していつのまにか相思相愛になっている話とか、あれ?三国志って、戦記物だったよな?と。
中盤その1。劉備、負けすぎ!曹操、波ありすぎ!
劉備。負けまくりですね。根拠地を得ても、しばらくして負けて流浪の身になる。うわー、これで蜀を建国できるのか?と心配になるくらい。でも、負けても死なないし、何度でも再起を図るところは、すごい。
曹操。勝つときは勝つが、負ける時も豪快だな。兵数多くても、惨敗するのね。
後漢帝室は、悲しいな。力なき皇帝と、その百官。亡国は悲惨。
袁紹、意外と戦略的に戦ったのね。相手が悪かった。
中盤その2。蜀取り
蜀取りは、なし崩し的すぎる。旧蜀には援軍と言っておきながら、いつのまにか策動して乗っ取る。戦乱の時代だから仕方がないとはいえ、旧蜀を思うとやりきれない。
黄忠頑張りすぎ。馬超いつのまに死んだ? 関羽、無念。張飛は酒におぼれ、因果応報。趙雲は超優秀。魏延、ハブられ。
終盤。孔明・・・
北伐時代の蜀って、こんなメンツで頑張ってたんだ。ゲームの三国志的に観ると、きっついな。孔明さんが部下を育てる天才だったら、三国統一が叶ったかもだけれども、それは彼に望みすぎですね。
長くなりすぎるので、この辺にしておきます。
それにしても、我が日本は卑弥呼の時代なんですよね。国の在り方、人物、戦争の規模などなどフィクションが混じっているとはいえ、雲泥の差です。
名将は三度死す!
おまけ。
タイトルにありますが、魏の武将、張コウ(張郃)さんは、3回も死んじゃってるそうです。ある意味、不死身!
汝南での戦い(官渡の戦い後)。袁紹陣営から曹操陣営に鞍替え直後。劉備と趙雲を追撃中、関羽、関平、周倉の300余騎に後ろから部隊を粉砕され、屠られる。(三国志6 泥魚 三)
長坂の戦い。穴に落ちた趙雲(+阿斗)に襲い掛かるも、青釭の宝剣で肩先から馬体まで切られ、血しぶき噴き出す。紅の光に目がくらんだせいとか。(三国志7 宝剣 三)
北伐。魏延の挑発に乗って谷に誘い込まれ、逃げ道を塞がれる。その後、孔明の火計により、焼死。(三国志11 木門道 二)
青空文庫
青空文庫(あおぞらぶんこ)は、著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品のテキストを公開しているインターネット上の電子図書館である。(Wikipediaより)
吉川英治氏の作品も、公開されています。私は、Kindle版で読みました。
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